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約12分で読めます 2026年3月29日 バーコード基礎知識

バーコードの種類完全ガイド|JAN・Code128・QRコードの違いと選び方

「どのバーコードを使えばいいの?」と迷ったことはありませんか。世界には約100種類のバーコードが存在しますが、日本で実際によく使われるのは6種類ほど。この記事では、それぞれの特徴・用途・違いを比較表付きでわかりやすく解説します。

専門家の視点:流通業界で10年間、JANコードの登録申請からCode128の物流システム導入まで携わってきました。「とりあえずQRコード」という選択が現場でトラブルになるケースを何度も見てきたので、この記事では用途に合った種類の選び方を正直にお伝えします。

バーコードとは?一次元と二次元の違い

バーコードとは、黒いバー(棒)と白いスペースの組み合わせで数字や文字を表現した、機械が読み取れる記号です。1974年にアメリカのスーパーマーケットで初めて商業利用されて以来、小売・物流・医療・製造など、あらゆる業界に浸透しています。

バーコードは大きく「一次元バーコード(1Dバーコード)」と「二次元バーコード(2Dバーコード)」の2種類に分けられます。

一次元 vs 二次元バーコード 基本比較
項目 一次元バーコード(1D) 二次元バーコード(2D)
読み取り方向 横方向のみ 縦・横の両方向
データ容量 最大85文字程度 最大7,000文字以上
主な種類 JAN、Code128、Code39、ITF、NW7 QRコード、DataMatrix、PDF417
読み取り機器 バーコードスキャナー スマートフォン・専用スキャナー
主な用途 商品管理・物流・在庫 URL・決済・チケット・部品管理

日本では、コンビニやスーパーの商品に印刷されているのが一次元バーコード(主にJANコード)、スマートフォンで読み取るのが二次元バーコード(主にQRコード)です。どちらが「優れている」ということはなく、用途に合った種類を選ぶことが大切です。

ポイント

バーコードの種類は「何を記録したいか」「どこで使うか」「誰が読み取るか」の3点で決まります。この記事を読めば、あなたの用途に最適な種類がわかります。


バーコード種類一覧(比較表)

日本でよく使われる主要6種類を一覧にまとめました。まずはこの表で全体像を把握してください。

種類 次元 文字種 桁数 主な用途 特徴
JANコード
EAN-13 / EAN-8
1D 数字のみ 13桁 / 8桁 小売商品・書籍 世界共通の商品コード
Code128 1D 全ASCII(128種) 可変長 物流・食品・医療 最も汎用性が高い
Code39 1D 英数字+記号 可変長 製造業・工業・軍事 シンプルで読み取りやすい
ITF
物流シンボル
1D 数字のみ 偶数桁・可変長 段ボール・物流・卸売 高密度・粗面印刷に強い
NW7
Codabar
1D 数字+一部記号 可変長 宅配便・図書館・血液バンク 日本の宅配業界で長年使用
QRコード 2D 英数字・漢字・バイナリ 最大7,089文字 URL・決済・チケット 日本発明・スマホで読み取り可

① JANコード(EAN)— 日本の商品に必須の世界標準

コンビニやスーパーで商品をレジに通すとき、スキャンされているのがこのJANコードです。JAN(Japanese Article Number)は、日本の商品識別コードとして1978年に導入されました。

JANコードとは

JANコードは国際規格EAN(European Article Number)の日本版で、現在はGS1(旧・国際EAN協会)が管理する世界共通の商品コードです。日本のJANコードは国コード「45」または「49」から始まります。

構成は以下の通りです:

  • 国コード(2〜3桁):日本は「45」または「49」
  • メーカーコード(4〜7桁):GS1 Japanが企業に割り当て
  • 商品コード(3〜5桁):メーカーが自由に設定
  • チェックデジット(1桁):読み取りエラーを検出する検証用数字

JANコードの仕様

項目JAN-13JAN-8
桁数13桁8桁
用途一般商品(標準)小型商品(スペース不足時)
国コード45 / 49(日本)45 / 49(日本)
文字種数字のみ数字のみ

主な用途

  • スーパー・コンビニ・ドラッグストアの商品
  • 書籍(ISBNと組み合わせて使用)
  • Amazonや楽天などECサイトへの商品登録
  • POSシステムとの連携
JANコードを使う前に知っておきたいこと

JANコードを商品に正式に使用するには、GS1 Japan(一般財団法人流通システム開発センター)へのメーカーコード登録が必要です。無料ツールで生成できるのは「形式上正しいコード」であり、未登録のコードを商品に使うと他社コードと重複するリスクがあります。社内管理用途なら登録不要で使えます。

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② Code128 — 最も汎用性の高い業務用バーコード

物流センターや食品工場の現場で最もよく見かけるのがCode128です。「英数字も記号も全部使いたい」「とにかく汎用性が高いものを選びたい」という場合、Code128がファーストチョイスになります。

Code128とは

Code128はISO/IEC 15417:2007で国際標準化された一次元バーコードです。名前の通り、ASCII文字128種類すべてをエンコードできます。3つのサブセット(A・B・C)を持ち、用途に応じて自動的に切り替わります。

  • サブセットA:制御文字・数字・大文字アルファベット
  • サブセットB:全印刷可能ASCII文字(最も一般的)
  • サブセットC:数字のみ・2桁ずつエンコード(最高密度)

Code128の仕様

項目詳細
文字種全ASCII文字(数字・英字大小・記号・制御文字)
桁数可変長(制限なし)
バー構造4種類のバー幅、3種類のスタート/ストップ文字
チェックデジット必須(自動計算)
国際規格ISO/IEC 15417:2007

主な用途

  • 物流・流通業界(GS1-128として標準採用)
  • 食品業界のトレーサビリティ管理
  • 医療・製薬業界の医薬品管理
  • 社内在庫管理・資産管理
  • 製造ラインの工程管理
Code128が選ばれる理由

英数字・記号・制御文字すべてに対応しながら、数字のみの場合はJANコードより小さく印刷できます。「何でも使える」汎用性と「高密度」を両立した、現代の業務用バーコードの事実上の標準です。

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③ Code39 — 製造業・工業現場の定番バーコード

自動車工場の部品棚や、病院の検体ラベルで見かけることが多いのがCode39です。シンプルな構造で読み取りエラーが少なく、製造業・工業・医療分野で長年使われてきた実績があります。

Code39とは

「Code 3 of 9」とも呼ばれ、9つの要素(バーとスペース)のうち3つが太いという構造から名付けられました。英字が使えるため、品番・型番・ロット番号など英数字混在のコードを扱う業務に向いています。

Code39の仕様

項目詳細
文字種数字(0〜9)・大文字アルファベット(A〜Z)・記号(- . スペース $ / + %)
桁数可変長
スタート/ストップ文字アスタリスク(*)
チェックデジットオプション(必須ではない)
バー構造2種類のバー幅

主な用途

  • 自動車業界(AIAG規格)の部品管理
  • 電子業界(EIA規格)の製品管理
  • 軍事・防衛(米国防総省の標準規格)
  • 医療・ヘルスケアの検体・機器管理
  • 社内資産管理・備品管理

Code128との使い分け

Code39はCode128より密度が低い(同じデータを入れると物理的に長くなる)ため、スペースに余裕がある場合や、既存システムがCode39に対応している場合に選ばれます。新規システムを構築するなら、Code128の方が汎用性・密度ともに優れています。

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④ ITF(物流シンボル)— 段ボール箱の定番バーコード

スーパーの倉庫や物流センターで、段ボール箱に印刷されている太めのバーコードを見たことはありませんか?あれがITFです。日本では「物流シンボル」として1987年にJIS X 0502で標準化されました。

ITFとは

ITF(Interleaved Two of Five)は「インターリーブド2オブ5」の略で、2桁の数字を1セットとしてバーとスペースに交互にエンコードする仕組みです。この「インターリーブ(交互)」方式により、同じ桁数でも他のバーコードより小さく印刷できます。

ITFの仕様

項目詳細
文字種数字のみ(0〜9)
桁数偶数桁のみ(可変長)
スタート/ストップ文字なし
チェックデジットオプション(ITF-14では必須)
日本規格JIS X 0502(1987年標準化)
国際規格ISO/IEC 16390

主な用途

  • 段ボール箱・外装ケースへの印刷
  • 物流・倉庫管理・卸売業
  • ITF-14:GS1標準の物流ケースコード(14桁)
  • ITF-6(日本独自):ITF-14の後ろに付加して重量・数量を表現
ITFが段ボールに向いている理由

段ボールは表面が粗く、印刷精度が低くなりがちです。ITFはバーが太く、多少の印刷ムラがあっても読み取れる設計になっています。また、個別商品(JAN)ではなく「ケース単位」の管理に使われるため、JANコードと役割が異なります。

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⑤ NW7(Codabar)— 宅配便・図書館で使われる日本の定番

ヤマト運輸や佐川急便の伝票に印刷されているバーコードを見たことがあるでしょうか。あれがNW7(Codabar)です。日本では「NW-7」という名前で親しまれていますが、国際的には「Codabar」と呼ばれています。

NW7とは

Codabarは1972年にPitney Bowes社が開発した一次元バーコードです。日本では「NW-7」という名称が定着しており、宅配便・図書館・血液バンクなど、特定の業界で長年使われてきました。

NW7の仕様

項目詳細
文字種数字(0〜9)・記号(- $ : / . +)
桁数可変長
スタート/ストップ文字a・b・c・d(4種類)
チェックデジットなし(自己チェック型)
バー構造2種類のバー幅

主な用途(日本)

  • 宅配便の伝票:ヤマト運輸・佐川急便などの荷物追跡番号
  • 図書館の蔵書管理:図書館カードや本の管理ラベル
  • 血液バンク・医療検体:血液パックや検体の識別
  • 写真現像ラボ:フィルムの管理(歴史的用途)

NW7の現状

近年、宅配業界ではCode128への移行が進んでいます。Code128の方が密度が高く、英字も使えるためです。ただし、既存システムとの互換性から、NW7を継続使用している現場も多くあります。新規システムを構築する場合は、Code128を検討することをおすすめします。

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⑥ QRコード — 日本生まれの二次元バーコード

PayPayやLINE Payで支払うとき、イベントのチケットを表示するとき、名刺のURLを共有するとき——QRコードは今や日常生活に欠かせない存在です。実はこのQRコード、日本生まれなのをご存知でしょうか。

QRコードとは

QRコード(Quick Response Code)は1994年、デンソーウェーブ(トヨタグループ)の原昌宏氏が自動車部品の管理効率化のために発明しました。現在はISO/IEC 18004として国際標準化され、世界中で使われています。デンソーウェーブは特許を保有していますが、無償で使用を開放しています。

一次元バーコードとの最大の違いはデータ容量です。一次元バーコードが最大85文字程度なのに対し、QRコードは最大7,089文字(数字)を格納できます。

QRコードの仕様

項目詳細
文字種数字・英数字・バイナリ・漢字(全角)
最大容量数字:7,089文字 / 英数字:4,296文字 / バイナリ:2,953バイト
誤り訂正L(7%)/ M(15%)/ Q(25%)/ H(30%)の4段階
位置検出3隅の正方形マーカー
国際規格ISO/IEC 18004
発明1994年・デンソーウェーブ(日本)

主な用途

  • URL・ウェブサイト誘導:ポスター・名刺・パッケージ
  • キャッシュレス決済:PayPay・LINE Pay・楽天ペイ
  • イベント入場チケット:コンサート・映画・交通機関
  • 商品情報・説明書:食品の原材料・家電の取扱説明書
  • 製造ライン管理:自動車部品・電子部品のトレーサビリティ
QRコードの誤り訂正機能とは

QRコードには汚れや破損があっても読み取れる「誤り訂正機能」があります。レベルH(30%)なら、コードの30%が欠損していても正しく読み取れます。ロゴを中央に入れたQRコードが読み取れるのも、この機能のおかげです。

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用途別・バーコードの選び方ガイド

「種類はわかったけど、結局どれを使えばいいの?」という方のために、用途別の選び方をまとめました。

用途別バーコード選択ガイド
やりたいこと おすすめ 理由
商品をコンビニ・スーパーで販売したい JANコード POSシステムの世界標準。GS1 Japan登録が必要
段ボール箱・外装ケースを管理したい ITF(ITF-14) 物流シンボルの日本標準。粗面印刷に強い
英数字混在の品番・型番を管理したい Code128 全ASCII対応・高密度・最も汎用性が高い
製造業・工業の部品管理をしたい Code39 または Code128 Code39は既存システム互換、Code128は新規向け
宅配便の伝票番号を管理したい NW7(または Code128) 既存システムはNW7、新規ならCode128を推奨
URLやウェブサイトに誘導したい QRコード スマートフォンで読み取り可能・大容量
キャッシュレス決済に使いたい QRコード PayPay・LINE Pay等の標準フォーマット
Excelで在庫管理をしたい Code128 または Code39 Excelのバーコードフォント・画像挿入に対応

選び方のポイント3つ

  1. 「誰が読み取るか」を確認する:POSレジ(JAN)、物流スキャナー(ITF/Code128)、スマートフォン(QR)で対応フォーマットが異なります
  2. 「何文字入れるか」を確認する:数字のみなら JAN/ITF、英数字混在なら Code128/Code39、大量データなら QR
  3. 「どこに印刷するか」を確認する:段ボール(ITF)、小型商品(JAN-8)、スマホ表示(QR)で最適なサイズが変わります
迷ったらCode128を選ぼう

社内管理・在庫管理・資産管理など「とりあえずバーコードを使いたい」という場合は、Code128が最も無難な選択です。英数字・記号すべてに対応し、高密度で、業界を問わず使えます。

バーコードの作成は、当サイトの無料ツールをご利用ください。登録不要・ブラウザ内で即時生成できます。


バーコードの歴史・技術仕様については、 Wikipedia「Barcode」 も参考にしています。本記事の内容は流通業界での実務経験と各種公式規格文書をもとに執筆しています。


よくある質問(FAQ)

形式上のJANコードは当サイトのような無料ツールで生成できます。ただし、実際に商品に使用してPOSシステムで販売する場合は、GS1 Japanへのメーカーコード登録が必要です(年会費あり)。社内管理用途であれば登録不要で使えます。

Code128は全ASCII文字(128種)に対応し高密度で、現代の業務用バーコードの標準です。Code39は英数字と一部記号のみですが、構造がシンプルで読み取りエラーが少ない特徴があります。新規システムを構築するならCode128、既存のCode39システムとの互換性が必要な場合はCode39を選んでください。

一般的に「バーコード」と呼ばれるのは一次元バーコード(横方向のみ)で、最大85文字程度のデータを格納します。QRコードは二次元バーコード(縦横両方向)で、最大7,089文字のデータを格納でき、URLや連絡先など多様な情報を扱えます。スマートフォンで読み取れるのはQRコードの大きな利点です。

ITF(物流シンボル)が最適です。日本ではJIS X 0502として標準化されており、段ボールなど粗い表面にも印刷しやすい設計になっています。特にITF-14は、GS1標準の物流ケースコードとして国際的に使われています。

当サイトで生成したバーコード画像は商用利用可能です。ただし、JANコードを商品に使用して小売販売する場合は、GS1 Japanへのメーカーコード登録が必要です。社内管理・在庫管理・資産管理などの用途であれば、登録不要で商用利用できます。

当サイトでバーコードをPNG/SVG形式でダウンロードし、Excelに画像として貼り付けるのが最も簡単な方法です。Excelでバーコード作成のページで詳しく解説しています。

まとめ

バーコードの種類は多いように見えますが、日本で実際によく使われるのは6種類です。それぞれの役割を整理すると:

  • JANコード:商品をお店で売るための世界標準コード
  • Code128:業務用の万能バーコード。迷ったらこれ
  • Code39:製造業・工業の定番。既存システムとの互換性重視
  • ITF:段ボール・物流の専用バーコード
  • NW7:宅配便・図書館の定番。新規ならCode128へ移行を
  • QRコード:スマホ時代の二次元バーコード。URL・決済・チケットに

「用途に合った種類を選ぶ」——これがバーコード活用の基本です。この記事が、あなたの業務やプロジェクトに役立てば嬉しいです。

この記事を書いた人

Yuki Tanaka
Yuki Tanaka

バーコード・流通システム専門ライター|流通業界歴10年

大手流通企業でJANコード登録・物流システム導入を担当後、フリーランスライターとして独立。バーコード・QRコード・GS1規格を専門に、企業向けの技術解説記事を執筆。「難しい規格をわかりやすく」をモットーに、実務経験に基づいた情報を発信しています。

参考資料

  1. GS1 Japan(一般財団法人流通システム開発センター)— https://www.gs1jp.org/en/
  2. Wikipedia「Barcode」— https://en.wikipedia.org/wiki/Barcode
  3. ISO/IEC 15417:2007 — Code 128 bar code symbology specification
  4. JIS X 0502:1987 — 物流シンボル(ITF)日本工業規格
  5. ISO/IEC 18004:2015 — QR Code bar code symbology specification