バーコードの種類完全ガイド|JAN・Code128・QRコードの違いと選び方
「どのバーコードを使えばいいの?」と迷ったことはありませんか。世界には約100種類のバーコードが存在しますが、日本で実際によく使われるのは6種類ほど。この記事では、それぞれの特徴・用途・違いを比較表付きでわかりやすく解説します。
目次
バーコードとは?一次元と二次元の違い
バーコードとは、黒いバー(棒)と白いスペースの組み合わせで数字や文字を表現した、機械が読み取れる記号です。1974年にアメリカのスーパーマーケットで初めて商業利用されて以来、小売・物流・医療・製造など、あらゆる業界に浸透しています。
バーコードは大きく「一次元バーコード(1Dバーコード)」と「二次元バーコード(2Dバーコード)」の2種類に分けられます。
一次元 vs 二次元バーコード 基本比較
| 項目 | 一次元バーコード(1D) | 二次元バーコード(2D) |
|---|---|---|
| 読み取り方向 | 横方向のみ | 縦・横の両方向 |
| データ容量 | 最大85文字程度 | 最大7,000文字以上 |
| 主な種類 | JAN、Code128、Code39、ITF、NW7 | QRコード、DataMatrix、PDF417 |
| 読み取り機器 | バーコードスキャナー | スマートフォン・専用スキャナー |
| 主な用途 | 商品管理・物流・在庫 | URL・決済・チケット・部品管理 |
日本では、コンビニやスーパーの商品に印刷されているのが一次元バーコード(主にJANコード)、スマートフォンで読み取るのが二次元バーコード(主にQRコード)です。どちらが「優れている」ということはなく、用途に合った種類を選ぶことが大切です。
ポイント
バーコードの種類は「何を記録したいか」「どこで使うか」「誰が読み取るか」の3点で決まります。この記事を読めば、あなたの用途に最適な種類がわかります。
バーコード種類一覧(比較表)
日本でよく使われる主要6種類を一覧にまとめました。まずはこの表で全体像を把握してください。
| 種類 | 次元 | 文字種 | 桁数 | 主な用途 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| JANコード EAN-13 / EAN-8 |
1D | 数字のみ | 13桁 / 8桁 | 小売商品・書籍 | 世界共通の商品コード |
| Code128 | 1D | 全ASCII(128種) | 可変長 | 物流・食品・医療 | 最も汎用性が高い |
| Code39 | 1D | 英数字+記号 | 可変長 | 製造業・工業・軍事 | シンプルで読み取りやすい |
| ITF 物流シンボル |
1D | 数字のみ | 偶数桁・可変長 | 段ボール・物流・卸売 | 高密度・粗面印刷に強い |
| NW7 Codabar |
1D | 数字+一部記号 | 可変長 | 宅配便・図書館・血液バンク | 日本の宅配業界で長年使用 |
| QRコード | 2D | 英数字・漢字・バイナリ | 最大7,089文字 | URL・決済・チケット | 日本発明・スマホで読み取り可 |
① JANコード(EAN)— 日本の商品に必須の世界標準
コンビニやスーパーで商品をレジに通すとき、スキャンされているのがこのJANコードです。JAN(Japanese Article Number)は、日本の商品識別コードとして1978年に導入されました。
JANコードとは
JANコードは国際規格EAN(European Article Number)の日本版で、現在はGS1(旧・国際EAN協会)が管理する世界共通の商品コードです。日本のJANコードは国コード「45」または「49」から始まります。
構成は以下の通りです:
- 国コード(2〜3桁):日本は「45」または「49」
- メーカーコード(4〜7桁):GS1 Japanが企業に割り当て
- 商品コード(3〜5桁):メーカーが自由に設定
- チェックデジット(1桁):読み取りエラーを検出する検証用数字
JANコードの仕様
| 項目 | JAN-13 | JAN-8 |
|---|---|---|
| 桁数 | 13桁 | 8桁 |
| 用途 | 一般商品(標準) | 小型商品(スペース不足時) |
| 国コード | 45 / 49(日本) | 45 / 49(日本) |
| 文字種 | 数字のみ | 数字のみ |
主な用途
- スーパー・コンビニ・ドラッグストアの商品
- 書籍(ISBNと組み合わせて使用)
- Amazonや楽天などECサイトへの商品登録
- POSシステムとの連携
JANコードを使う前に知っておきたいこと
JANコードを商品に正式に使用するには、GS1 Japan(一般財団法人流通システム開発センター)へのメーカーコード登録が必要です。無料ツールで生成できるのは「形式上正しいコード」であり、未登録のコードを商品に使うと他社コードと重複するリスクがあります。社内管理用途なら登録不要で使えます。
② Code128 — 最も汎用性の高い業務用バーコード
物流センターや食品工場の現場で最もよく見かけるのがCode128です。「英数字も記号も全部使いたい」「とにかく汎用性が高いものを選びたい」という場合、Code128がファーストチョイスになります。
Code128とは
Code128はISO/IEC 15417:2007で国際標準化された一次元バーコードです。名前の通り、ASCII文字128種類すべてをエンコードできます。3つのサブセット(A・B・C)を持ち、用途に応じて自動的に切り替わります。
- サブセットA:制御文字・数字・大文字アルファベット
- サブセットB:全印刷可能ASCII文字(最も一般的)
- サブセットC:数字のみ・2桁ずつエンコード(最高密度)
Code128の仕様
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 文字種 | 全ASCII文字(数字・英字大小・記号・制御文字) |
| 桁数 | 可変長(制限なし) |
| バー構造 | 4種類のバー幅、3種類のスタート/ストップ文字 |
| チェックデジット | 必須(自動計算) |
| 国際規格 | ISO/IEC 15417:2007 |
主な用途
- 物流・流通業界(GS1-128として標準採用)
- 食品業界のトレーサビリティ管理
- 医療・製薬業界の医薬品管理
- 社内在庫管理・資産管理
- 製造ラインの工程管理
Code128が選ばれる理由
英数字・記号・制御文字すべてに対応しながら、数字のみの場合はJANコードより小さく印刷できます。「何でも使える」汎用性と「高密度」を両立した、現代の業務用バーコードの事実上の標準です。
③ Code39 — 製造業・工業現場の定番バーコード
自動車工場の部品棚や、病院の検体ラベルで見かけることが多いのがCode39です。シンプルな構造で読み取りエラーが少なく、製造業・工業・医療分野で長年使われてきた実績があります。
Code39とは
「Code 3 of 9」とも呼ばれ、9つの要素(バーとスペース)のうち3つが太いという構造から名付けられました。英字が使えるため、品番・型番・ロット番号など英数字混在のコードを扱う業務に向いています。
Code39の仕様
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 文字種 | 数字(0〜9)・大文字アルファベット(A〜Z)・記号(- . スペース $ / + %) |
| 桁数 | 可変長 |
| スタート/ストップ文字 | アスタリスク(*) |
| チェックデジット | オプション(必須ではない) |
| バー構造 | 2種類のバー幅 |
主な用途
- 自動車業界(AIAG規格)の部品管理
- 電子業界(EIA規格)の製品管理
- 軍事・防衛(米国防総省の標準規格)
- 医療・ヘルスケアの検体・機器管理
- 社内資産管理・備品管理
Code128との使い分け
Code39はCode128より密度が低い(同じデータを入れると物理的に長くなる)ため、スペースに余裕がある場合や、既存システムがCode39に対応している場合に選ばれます。新規システムを構築するなら、Code128の方が汎用性・密度ともに優れています。
④ ITF(物流シンボル)— 段ボール箱の定番バーコード
スーパーの倉庫や物流センターで、段ボール箱に印刷されている太めのバーコードを見たことはありませんか?あれがITFです。日本では「物流シンボル」として1987年にJIS X 0502で標準化されました。
ITFとは
ITF(Interleaved Two of Five)は「インターリーブド2オブ5」の略で、2桁の数字を1セットとしてバーとスペースに交互にエンコードする仕組みです。この「インターリーブ(交互)」方式により、同じ桁数でも他のバーコードより小さく印刷できます。
ITFの仕様
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 文字種 | 数字のみ(0〜9) |
| 桁数 | 偶数桁のみ(可変長) |
| スタート/ストップ文字 | なし |
| チェックデジット | オプション(ITF-14では必須) |
| 日本規格 | JIS X 0502(1987年標準化) |
| 国際規格 | ISO/IEC 16390 |
主な用途
- 段ボール箱・外装ケースへの印刷
- 物流・倉庫管理・卸売業
- ITF-14:GS1標準の物流ケースコード(14桁)
- ITF-6(日本独自):ITF-14の後ろに付加して重量・数量を表現
ITFが段ボールに向いている理由
段ボールは表面が粗く、印刷精度が低くなりがちです。ITFはバーが太く、多少の印刷ムラがあっても読み取れる設計になっています。また、個別商品(JAN)ではなく「ケース単位」の管理に使われるため、JANコードと役割が異なります。
⑤ NW7(Codabar)— 宅配便・図書館で使われる日本の定番
ヤマト運輸や佐川急便の伝票に印刷されているバーコードを見たことがあるでしょうか。あれがNW7(Codabar)です。日本では「NW-7」という名前で親しまれていますが、国際的には「Codabar」と呼ばれています。
NW7とは
Codabarは1972年にPitney Bowes社が開発した一次元バーコードです。日本では「NW-7」という名称が定着しており、宅配便・図書館・血液バンクなど、特定の業界で長年使われてきました。
NW7の仕様
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 文字種 | 数字(0〜9)・記号(- $ : / . +) |
| 桁数 | 可変長 |
| スタート/ストップ文字 | a・b・c・d(4種類) |
| チェックデジット | なし(自己チェック型) |
| バー構造 | 2種類のバー幅 |
主な用途(日本)
- 宅配便の伝票:ヤマト運輸・佐川急便などの荷物追跡番号
- 図書館の蔵書管理:図書館カードや本の管理ラベル
- 血液バンク・医療検体:血液パックや検体の識別
- 写真現像ラボ:フィルムの管理(歴史的用途)
NW7の現状
近年、宅配業界ではCode128への移行が進んでいます。Code128の方が密度が高く、英字も使えるためです。ただし、既存システムとの互換性から、NW7を継続使用している現場も多くあります。新規システムを構築する場合は、Code128を検討することをおすすめします。
⑥ QRコード — 日本生まれの二次元バーコード
PayPayやLINE Payで支払うとき、イベントのチケットを表示するとき、名刺のURLを共有するとき——QRコードは今や日常生活に欠かせない存在です。実はこのQRコード、日本生まれなのをご存知でしょうか。
QRコードとは
QRコード(Quick Response Code)は1994年、デンソーウェーブ(トヨタグループ)の原昌宏氏が自動車部品の管理効率化のために発明しました。現在はISO/IEC 18004として国際標準化され、世界中で使われています。デンソーウェーブは特許を保有していますが、無償で使用を開放しています。
一次元バーコードとの最大の違いはデータ容量です。一次元バーコードが最大85文字程度なのに対し、QRコードは最大7,089文字(数字)を格納できます。
QRコードの仕様
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 文字種 | 数字・英数字・バイナリ・漢字(全角) |
| 最大容量 | 数字:7,089文字 / 英数字:4,296文字 / バイナリ:2,953バイト |
| 誤り訂正 | L(7%)/ M(15%)/ Q(25%)/ H(30%)の4段階 |
| 位置検出 | 3隅の正方形マーカー |
| 国際規格 | ISO/IEC 18004 |
| 発明 | 1994年・デンソーウェーブ(日本) |
主な用途
- URL・ウェブサイト誘導:ポスター・名刺・パッケージ
- キャッシュレス決済:PayPay・LINE Pay・楽天ペイ
- イベント入場チケット:コンサート・映画・交通機関
- 商品情報・説明書:食品の原材料・家電の取扱説明書
- 製造ライン管理:自動車部品・電子部品のトレーサビリティ
QRコードの誤り訂正機能とは
QRコードには汚れや破損があっても読み取れる「誤り訂正機能」があります。レベルH(30%)なら、コードの30%が欠損していても正しく読み取れます。ロゴを中央に入れたQRコードが読み取れるのも、この機能のおかげです。
用途別・バーコードの選び方ガイド
「種類はわかったけど、結局どれを使えばいいの?」という方のために、用途別の選び方をまとめました。
用途別バーコード選択ガイド
| やりたいこと | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 商品をコンビニ・スーパーで販売したい | JANコード | POSシステムの世界標準。GS1 Japan登録が必要 |
| 段ボール箱・外装ケースを管理したい | ITF(ITF-14) | 物流シンボルの日本標準。粗面印刷に強い |
| 英数字混在の品番・型番を管理したい | Code128 | 全ASCII対応・高密度・最も汎用性が高い |
| 製造業・工業の部品管理をしたい | Code39 または Code128 | Code39は既存システム互換、Code128は新規向け |
| 宅配便の伝票番号を管理したい | NW7(または Code128) | 既存システムはNW7、新規ならCode128を推奨 |
| URLやウェブサイトに誘導したい | QRコード | スマートフォンで読み取り可能・大容量 |
| キャッシュレス決済に使いたい | QRコード | PayPay・LINE Pay等の標準フォーマット |
| Excelで在庫管理をしたい | Code128 または Code39 | Excelのバーコードフォント・画像挿入に対応 |
選び方のポイント3つ
- 「誰が読み取るか」を確認する:POSレジ(JAN)、物流スキャナー(ITF/Code128)、スマートフォン(QR)で対応フォーマットが異なります
- 「何文字入れるか」を確認する:数字のみなら JAN/ITF、英数字混在なら Code128/Code39、大量データなら QR
- 「どこに印刷するか」を確認する:段ボール(ITF)、小型商品(JAN-8)、スマホ表示(QR)で最適なサイズが変わります
迷ったらCode128を選ぼう
社内管理・在庫管理・資産管理など「とりあえずバーコードを使いたい」という場合は、Code128が最も無難な選択です。英数字・記号すべてに対応し、高密度で、業界を問わず使えます。
バーコードの作成は、当サイトの無料ツールをご利用ください。登録不要・ブラウザ内で即時生成できます。
バーコードの歴史・技術仕様については、 Wikipedia「Barcode」 も参考にしています。本記事の内容は流通業界での実務経験と各種公式規格文書をもとに執筆しています。
よくある質問(FAQ)
まとめ
バーコードの種類は多いように見えますが、日本で実際によく使われるのは6種類です。それぞれの役割を整理すると:
- JANコード:商品をお店で売るための世界標準コード
- Code128:業務用の万能バーコード。迷ったらこれ
- Code39:製造業・工業の定番。既存システムとの互換性重視
- ITF:段ボール・物流の専用バーコード
- NW7:宅配便・図書館の定番。新規ならCode128へ移行を
- QRコード:スマホ時代の二次元バーコード。URL・決済・チケットに
「用途に合った種類を選ぶ」——これがバーコード活用の基本です。この記事が、あなたの業務やプロジェクトに役立てば嬉しいです。
この記事を書いた人
参考資料
- GS1 Japan(一般財団法人流通システム開発センター)— https://www.gs1jp.org/en/
- Wikipedia「Barcode」— https://en.wikipedia.org/wiki/Barcode
- ISO/IEC 15417:2007 — Code 128 bar code symbology specification
- JIS X 0502:1987 — 物流シンボル(ITF)日本工業規格
- ISO/IEC 18004:2015 — QR Code bar code symbology specification